この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼者は、自己の借金と性格の不一致から、平成22年11月ころ自宅(自己名義、ローンあり)を出、以後妻と別居してきた。別居後は、依頼者は、夫婦の約束に基づき月額13万円の生活費(9万円はローン分)と年40万円のボーナスを妻に支払ってきた。しかし平成30年9月になって、貯金が全くできていないこと、このままでは老後の生活に不安であることから、婚姻費用の減額ができないかまた併せて離婚したいということで委任を受けた。
解決への流れ
当事者双方の収入からすると、依頼者が妻に支払うべき婚姻費用は月6万円ないし7万円が相当であったので、9月から相手方妻にはこれまでの額を減額して、月6万5000円を支払うよう助言した。その後妻と面会し話し合ったが、妻は、婚姻費用減額には同意せず、離婚するのは良いが、慰謝料として1000万円くらいは支払ってもらいたいということで、当方は到底納得できず、話し合いは決裂した。その2か月後くらいに、相手方妻は、弁護士を付け、婚姻費用増額の調停を申し立ててきた。そこでこちらは、別途離婚調停を申し立て、併合して調停が続いた。4回目の調停で①当事者双方は、離婚する。②夫は妻に対し125万円の解決金を支払う。③妻は令和元年12月まで上記自宅に無償で住むことができ、令和2年1月末日までに、自宅を退去し夫に明け渡す。という内容で調停が成立し、紛争解決に至った。
相手の要求からするとかなり有利な線で和解(調停)が成立したと思われる。これは、これまで依頼人がかなり高額な婚姻費用(生活費)を長期に(約8年ほど)誠実に支払ってきたことによると思われる。この点を調停員にも理解してもらったのが良かった。