この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
相談者様の取得額が法定相続よりも下回る内容の遺言書が作成されていました。しかし、その遺言書の筆跡が、被相続人本人のものではないと考え、遺言書の内容ではない遺産分割を希望し、ご依頼されました。
解決への流れ
別の相続人が遺言書を偽造した疑いがあるものの、そこまでの立証が可能な証拠まではなく、他方で、本人の筆跡とはいえないとされる可能性がありました。そうなると、遺言書の無効確認という訴訟を起こしても、勝訴できる可能性が高いとはいえず、時間ばかりかかってしまうリスクが生じます。他方で、相手方としても、筆跡に問題があることは認識できる状況であり、遺言書通りの分割を強く主張できないことが想定されました。そのような状況で、遺言書がないものと扱い、遺産分割協議を行うよう助言しました。
偽造の主張にこだわると、紛争が長期かしてしまうこと、遺言書の無効確認という訴訟まで至ると、親族間の感情が、たださえ悪化しているのに、それ以上に悪化してしまう危険があるので、訴訟や調停を経ずに、早期に解決することを念頭に、遺産分割協議(交渉)で終了させるように話を進めました。