この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談内容地代の増額請求を地主から受けているが,固定資産税の4倍が相場等という理由で現行賃料の10倍近くの請求を提示されており,とてもではないが対応できない。借りている土地の一部にあった母屋はすでに解体して簡易なガレージにしており,これはすぐに撤去できるため,借りている部分を少なくして賃料を下げることはできないか。
解決への流れ
相談後早速地主側に対して受任通知を送付して交渉開始。既に相手方は調停を申し立てたということだったため,裁判所の調停で解決方法の模索を行う。争点は,もっぱら地代についてどの程度が適正なのかということであったが,依頼者が借地権をすべて放棄する変わりに,自宅土地が乗っている敷地部分の所有権を取得する交換契約による解決を提案。土地測量や登記も関わる困難な交渉だったが,最終的に裁判所の説得もあり,相手方もガレージ解体(更地化)及びこれが完了するまでは賃料を現行の2倍にとどめる条件で承諾。当方の手配した業者により土地の分筆を平行して行いつつ,ガレージも解体させ,これが完了した段階で土地の交換登記を完了し,不動産取得税等の税金関係の説明を完了したところで事件終了。
賃料増額請求に対する対応と土地と借地の一部交換契約という困難な交渉を成功させた事案です。一時的な賃料増額に対しては坪単価で2倍程度の増額に抑えた上,最終的には土地に対する借地権を全て放棄する代わりに,自宅建物の底地部分の所有権を取得する交換契約を行うことによって将来的な賃料負担をゼロにすることができました。このように依頼者様のニーズに応じて様々な解決方法を提案できるのが,弁護士の強みだと思います。当事務所内部の他士業や,協力関係にある測量士の協力もあり,かなり安価で登記や測量も完了させることができました。