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オリックス宮内元会長の役員報酬「54億円」 税理士が予想した「税金」はナン億円?
2015年07月14日 14時35分

オリックスが6月に開示した有価証券報告書によると、宮内義彦元会長(現シニア・チェアマン)の2015年3月期の役員報酬が54億7000万円にのぼることが分かった。産経新聞の報道によると、国内上場企業の役員報酬としては歴代最高額になるという。

報酬の内訳は、功労金が44億6900万円、固定報酬が3800万円、業績連動型報酬が900万円、株式報酬が9億5300万円。長年の功績に対する功労金が82%を占める。

これほどの高額報酬になると、税金も相当高額になるだろうが、いくらになるか想像もつかない。はたして、この有価証券報告書から、税金はどれくらいになると予想できるだろうか。近藤学税理士に聞いた。

オリックスが6月に開示した有価証券報告書によると、宮内義彦元会長(現シニア・チェアマン)の2015年3月期の役員報酬が54億7000万円にのぼることが分かった。産経新聞の報道によると、国内上場企業の役員報酬としては歴代最高額になるという。

報酬の内訳は、功労金が44億6900万円、固定報酬が3800万円、業績連動型報酬が900万円、株式報酬が9億5300万円。長年の功績に対する功労金が82%を占める。

これほどの高額報酬になると、税金も相当高額になるだろうが、いくらになるか想像もつかない。はたして、この有価証券報告書から、税金はどれくらいになると予想できるだろうか。近藤学税理士に聞いた。

●2015年に退任したら「税金」はもっと増えていた?

「宮内氏は2014年に、会長兼グループ最高責任者(CEO)を退任されたようですね。報酬の内訳で、固定報酬と業績連動型報酬は、役員としての業務に対する報酬です。株式報酬と功労金は、退任に際して支給されたものと考えることができるでしょう」

総額で55億円近くの報酬だが、名目はまちまち。税金は、報酬の名目によって変わるのだろうか。

「通常の業務に対する報酬は給与所得となり、退任に際し支給される報酬は、退職所得に区分され、所得税として課税の方法が異なります。臨時的な所得については税負担を軽くするというのが所得税の基本的な考え方です。ですから、退職所得の方が税負担は軽くなります」

では、いったい、宮内氏の今回の報酬には、どれぐらい課税されるのだろうか。

「給与所得は、固定報酬3800万円、業績連動型報酬900万円を足して4700万円、退職所得を54億2200万円とします。インターネットで計算すると、宮内氏の役員在任期間は33年間でした。以上を基に計算してみます。

お子さんも大きく、奥様の所得もかなりあると考えられますので、所得控除額は社会保険料、生命保険料控除などを考慮して140万円としてみます。また、不動産収入などは無いものとして計算してみましょう」

うーん、他人の税金ながら、ドキドキする。

「ざっくりと計算すると、合計の所得税は10億9200万円です。内訳は、退職所得にかかるものがほとんどで、10億7800万円ですね。さらに住民税が2億7400万円ほどになります。これは宮内氏が退任した2014年の税制によるものです。

実は、2015年から所得税最高税率が40%から45%に上がっているので、もしも2015年に退任していたとしたら、所得税は約1億3300万円多くなっていたことでしょう。所得税税制の変化を考えて2014年中に退職金を支払ったのかなと勘繰ってしまいますね」

近藤税理士はこのように話していた。

【取材協力税理士】

近藤 学 (こんどう・まなぶ)税理士

京都府郊外で税理士事務所を開業。最近では、ExcelのVBAを研究し、資金繰表作成ソフトを開発し販売している。著書に「一番楽しい会計の本!」(ダイヤモンド社)ほか。翻訳書は「あなたの中の起業家を呼び起こせ!」(マイケルEガーバー著)。

事務所名 :近藤学税理士事務所

URL :http://shikingurihyou.com

(弁護士ドットコムニュース)

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