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「銀行口座を高額レンタルしませんか?」甘い言葉にうっかり乗った末路…新生活で気をつけたい犯罪の「罠」
2025年03月08日 09時47分

春から大学や新社会人のみなさんは新生活に向け、新たに銀行口座をつくる人も多いと思います。一方で、その口座を狙った犯罪も横行しており、注意が必要です。

最近、Xである投稿が注目を集めました。投稿によると、投稿者が銀行で働いていた時、若い男性が口座をつくったそうです。

その際、少し年上の男性も付き添っており、一緒に仲良く話していたのですが、後日、若い男性の口座は売却されてました。投稿者は若い男性について、「二度と口座作れなくなりました」と説明していました。

「口座レンタルしてみませんか?」「口座を売ってください!御礼します」といった誘い文句に乗って、自身の銀行口座の通帳やキャッシュカード、暗証番号などを譲渡してしまうと、罪に問われる可能性がある上、投稿のように口座がつくれなくなってしまうこともあります。

弁護士ドットコムにも、口座をつくれなくなってしまったという人から多数の相談が寄せられています。その一人は、Xで「大金が入る」と騙され、5つの銀行の口座を他人に渡してしまったそうです。1週間後には口座が凍結され、警察に呼ばれたといいます。相談者は今後、口座をつくれるようになるのか、起訴されるのではないかと、心穏やかではないようです。

もしも自分や他人名義の通帳やキャッシュカードを譲渡した場合、犯罪収益移転防止法違反に問われて、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、他人に譲り渡す目的で口座を開設すれば、詐欺罪に問われて、10年以下の懲役となる可能性もあります。

では、口座を違法に譲渡してしまった場合、どうなるのでしょうか。元検事で、口座凍結解除の経験もある西山晴基弁護士に聞きました。

春から大学や新社会人のみなさんは新生活に向け、新たに銀行口座をつくる人も多いと思います。一方で、その口座を狙った犯罪も横行しており、注意が必要です。

最近、Xである投稿が注目を集めました。投稿によると、投稿者が銀行で働いていた時、若い男性が口座をつくったそうです。

その際、少し年上の男性も付き添っており、一緒に仲良く話していたのですが、後日、若い男性の口座は売却されてました。投稿者は若い男性について、「二度と口座作れなくなりました」と説明していました。

「口座レンタルしてみませんか?」「口座を売ってください!御礼します」といった誘い文句に乗って、自身の銀行口座の通帳やキャッシュカード、暗証番号などを譲渡してしまうと、罪に問われる可能性がある上、投稿のように口座がつくれなくなってしまうこともあります。

弁護士ドットコムにも、口座をつくれなくなってしまったという人から多数の相談が寄せられています。その一人は、Xで「大金が入る」と騙され、5つの銀行の口座を他人に渡してしまったそうです。1週間後には口座が凍結され、警察に呼ばれたといいます。相談者は今後、口座をつくれるようになるのか、起訴されるのではないかと、心穏やかではないようです。

もしも自分や他人名義の通帳やキャッシュカードを譲渡した場合、犯罪収益移転防止法違反に問われて、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、他人に譲り渡す目的で口座を開設すれば、詐欺罪に問われて、10年以下の懲役となる可能性もあります。

では、口座を違法に譲渡してしまった場合、どうなるのでしょうか。元検事で、口座凍結解除の経験もある西山晴基弁護士に聞きました。

●譲渡した口座はどんな犯罪に使われる?

——口座を譲渡した場合、どのように悪用されるのでしょうか。

いわゆる「闇バイト」をはじめとした特殊詐欺事件等で奪われた犯罪収益を、様々な名目のお金とすりかえたり、ごちゃまぜにしたりして、何のお金か分からなくするための道具として悪用されてしまいます。

犯罪グループは犯罪収益を転々とさせて、その所在がわからないようにしています。次々に末端メンバーが逮捕されていく中で、中核メンバーは犯罪収益を確実に得ようとしているわけです。

彼らは、そうした犯罪収益の隠匿にも、犯罪とはまったく関係ない人たちを騙して利用したり、仕入れた口座情報を悪用したりしています。

以前、詐欺被害者が「あなたの携帯から不特定多数の人にウイルスがまかれた」「示談するためにお金を支払って」などと騙され、犯罪グループから振り込まれた大金を指定された口座に送金させられたという事件も発生しました。

捜査機関や金融機関は、こうした特殊詐欺グループによる犯罪収益の隠匿行為を阻止する必要性があるため、不正利用の「疑い」があれば口座凍結する措置を講じています。

●口座の譲渡、なぜバレる?

——どうして、口座を譲渡したとバレて凍結されてしまうのでしょうか。

不正利用の疑いで口座凍結されるきっかけは大きく2つあります。

1つ目は、銀行の不正検知システムにより、不審な入出金がある預金口座だと判断されて口座凍結されるケースです。不正検知には、AI技術の利用も検討されているようです。

2つ目は、詐欺被害者から直接、または捜査機関や弁護士を通じた申立てにより口座凍結されるケースです。

●凍結された口座を解除するには?

――口座凍結を放置しておくとどうなりますか?

口座凍結を放置しておくと、振込詐欺救済法の手続きによって、その口座内の預金が消滅させられてしまう可能性があります。また、口座凍結に伴い、捜査機関などの凍結口座リストに登録されることにより、他の預金口座も凍結されたり、新たな預金口座を開設できなくなったりするおそれもあります。

――口座凍結を解除するためには?

口座凍結を解除してもらうには、警察や銀行と交渉する必要があります。ただし、警察や銀行は、不正利用を疑っている立場であるため、本人の話をなかなか聞き入れてくれないことが多いです。交渉方法にもよりますが、弁護士を通すことによって、スムーズに口座凍結解除の手続きが進む可能性があります。

●犯罪に関わらないようにするためには?

——犯罪に加担したり、知らないうちに巻き込まれないようにするには何に気をつければよいでしょうか。

キャッシュカードや通帳を送る、暗証番号を含む口座情報を教えることはそれ自体犯罪です。

また、SNSでは「お金配り」の投稿や「簡単に稼げる」などと謳う副業広告などが散見されますが、これらも皆さんの口座を悪用しようとするものです。最近話題のオンラインカジノも、口座を悪用する手段の一つとなっており、口座凍結されるケースが増えています。

これらに関わらないために、皆さんには、「SNSを通じて簡単に稼げるなんてことは通常有り得ない」と強く意識してほしいです。

また、そもそも関わらないことが一番ではありますが、もし関わってしまったときにすぐに立ち止まれるよう、「口座が悪用される場合には、その口座への入出金が見知らぬ個人名義でのものになることが多い」ということを覚えておいてほしいです。

見知らぬ個人名義から入金があった場合には、口座を悪用されている可能性があるので、注意してほしいです。

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